Prologue
なに?これは一度試してみねば。覚悟完了!
しかし、私の手元には期限切れのSIMばかり。すると、連絡をくれた某氏は私にそっとインド出張の行きに買った国際ローミング可能なSingTelのSIMを貸してくれました。
これで準備完了!と思い、出発の2日前に久々端末に電源を入れると入らん!オーマイガー。一日電源を入れっぱなしにして、叩いてとかしても全然ダメ。
諦めて出発前日、前述の氏に「電話貸して」とメールをした直後、奴は生き返りました。理由は全く謎でいやがらせとしか思えませんでした
2003/9/28 (Sun)
シュノーケルをしにダンヌ浜へ。先は太平洋。入感を試みると"No access"という表示。"No aceess"?今までと表示が違う。"select Network"でネットワークを見ると、"Chunghwa"の表示が。入感してるよ!でも、位置登録が上手く行かないのかネットワークを掴む所まではいかないようだ。
この時まで半信半疑だったので前に香港GSM/3G携帯情報局の勧めで買ったSmartOneのSIMしか持っていなかった。PM2時からもすらのたまごさんの海底遺跡シュノーケルツアーを予約していたので、洋上にでてGSMの感度を試せるチャンスはこの後しかないし、上手く行きそうな予感がしてきたので、速攻でおもろに戻りSIMをひったくって久部良港へ。
もすらのたまごは久部良港を出て、台湾と反対側の新川鼻の先に行くので船が港をでたすぐがチャンスと電源On! がここもダンヌ浜と同じような状況。
船に弱いのでこんな事を続けていたら死亡確実なので速攻に店じまい。海底遺跡はなかなか興味深かった。PM4時頃帰港。ここから日本最西端の碑がある西崎が近い。台湾も一番近いし、先は海なので電波的にもクリア(ただしそれなら船とイーブンではと考えたが)そこで西崎展望台に行く。
ここでダメならきっともうだめぽと思い電源On! また"No Access"の表示が。が、見えてきたnetworkの数が違う。その数4波!
注:ここからの写真はレポート用に取り直したものもあり時系列がレポートと多少異なります。
Chunghwa
TW MBTGSM
TWN FET
TWN GSM
ネットワークを選択しながら入感具合をチェック。Chunghwaは台湾最大のオペレータなので"Select Network"で選択すると...
Chunghwa位置登録成功キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
いきなりSingTelからSMS(ShortMessageService)がローミング成功の表示とSIMの残額を送ってきました。
で、通話開始。ここはSIMを貸してくれた某氏のDoCoMoに電話をせねばバチが当たるというものでしょう。そこで*131*903....掛からん。
DoCoMoで電話
私:SINGTELの国際ローミングって*131*電話番号でいいんですよねー。なんか交換機のメッセージに落ちちゃうんですけど料金足りなく無いですか?$16しか無いって言ってますよ?
某氏:$16あれば充分のはず
と言われてカントリーコードをすっ飛ばしている事に気が付く<バカ
DoCoMoを切って再度チャレンジ。*131*81903.....
着信成功キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
某氏:ER209iより音質がいいねぇ。
私 :こっちもそうです。ER209iはフルレート持ってないですからね。でもこれ台湾からシンガポール経由で日本行ってるんじゃないんですかね?おかしいですよ。
電話代がもったいないのでヨタ話もそこそこに終了。マルコーニの無線通信成功以来の無線史の快挙(嘘)に満足して余裕が出てきたので、他のSIMを入れて試してみる。
Chunghwaの期限切れのSIMの表示は"SOS Calls only" GSM携帯電話は契約が切れても緊急通信は確保されるのでこの表示になっている。この場合はnetworkはロックされるようでリンク先の様な画像となった。(SINGTELの時とはキャリアの左の表示が違う)
DTAC(タイのキャリア。国際ローミング不可のSIMだったと思う)を入れたら"SIM Card error"との表示が。国際ローミング不可のSIMだからなのか?
大事をやり遂げて満足したのでここで記念撮影。日本最西端の碑(with ER209i+T29sc)をご覧下さい(バカだ....)
2003/9/29 (Mon)
昨日と同じ手法で接続を試みるがダメ。5回ほどいろいろやったが"No access"の嵐。全くダメなので諦めてとなりのナーマ浜でシュノーケル(をしたけど何もいなかったので速攻打ち切り)祖納に戻るべく県道を走っていると右に見慣れた山と基地局群(画面右がVodafone VGS基地局。久部良岳山頂は左からNTT DoCoMo、与那国TV中継所、NHK)が見えてきます。
高さで勝負が決まるなら山頂に行けば入るのでは?という疑念が湧きます。湧いちゃったらチャレンジという事で、遠方に見える局に向かう光ケーブルを探します。
田舎なので途中のケーブル分岐を考える必要がなく、県道216号を久部良の集落から比川に向かうと程なくして、「久部良岳 2.2km」(だと思った)という看板が出ているのでそこで曲がって道なり(私は線路工事監督もやった事あるので、原チャリ乗りながら光ケーブル(NTTは青色のスパイラルを追っていけばよい)目で追って走るのはふつーにできるんで看板は見てなかったんだけどな(藁。帰りに気が付いた))道なりに進むと一つ目の基地局が。
見ると看板に「保安林内における土地の形質変更に係わる許可表示」とあり行為者氏名に「ジェイフォン㈱ ダリルE.グリーン」の文字が。時系列で推測すれば、ここはかなり昔からVGSのエリア化を目指していたと推測されます。VGSがGSMを掴んで苦情が来るのを恐れたと言うのはあながち間違いではなさそうです。
そのままケーブルに沿って進む先にはこれが。「おいおい、先いけねーじゃん」と思いましたが右脇が甘すぎなのと「進入禁止」とは書いてないので原チャリでそのまま中へ。こういう時は無敵だ>原チャリ
絶対に夜は来たく無い道を進む事数分。ついに久部良岳山頂に。変なアンテナがあるなーと思ってましたが手前2つのアンテナはNHKと与那国のテレビ中継所でした。写真は与那国のテレビ中継所(手前)とNTT DoCoMo(奥)
ここで電源を入れるのは影響が出たときの事を考えると躊躇したのですが、900,1800MHzの電波割り当てを考えて「ま、大丈夫だろう」という結論に脳内で達し電源On!
が、結果は"No access" ダメでした。回りを木々で囲まれているのが効いているかもしれません。
帰りは来た道を戻るのですが、落ちた葉の上をブレーキかけっぱなしで降りるのは、タイヤのグリップが全然効かないのでかなりトリッキーでした。行為と結果を天秤に架けると全く割りに合わず激しくお勧めできません。
Epilogue
海上は電波の遮蔽物がないから足は伸びる。GSMは2Wの出力で吹くので日本の小ゾーンの携帯とは比較にならないほど足が伸びているのだろう。あと、回りに電波を吹く機器が少ないのも不要輻射による影響が出にくいので着信には有利だ。
海上でダメで西崎展望台がOKだったのは高さが効いているんでしょう。
日曜日はOKで月曜日はNGだった理由は.....トラフィックの量ではないでしょうか?与那国島からの電波は台湾の東岸のどこかが取っているのでしょう。GSMはTDM(時分割多重)だから与那国からの電波をどっかのスロットに乗っけてやらないといけないのですが、ここで遅延が問題になって、上手くスロットに乗っけれないのでは?と思います。
トラフィックが少ない日曜日はその遅延を吸収する余力(隣接スロットが空いている)があるが、トラフィックの多い月曜日はスロットが埋まっていて割り当てたスロットの隣接スロットに強い電波が乗ってくる(要するに現地の他の端末の電波)ので、局側で与那国からの電波が取れないのでは?と思います。
あと、端末の個体差、機種による違いもこれだけ遠いと効いてくると思うのでそういう実験も価値があるかと思います。
総括
これが元でVodafoneのV66を買って与那国に行く人が続出したら嫌だなー(いねーよ)